金融リテラシー研究所

[金融リテラシー・マーケティング] 投信販売を顧客リテラシーから考えるニュースレター

vol.6 2009年冬号
発行:金融リテラシー研究所
エディト風雲20年史

金融ビッグバンで成長加速 未曾有の危機を乗り越えて

エディト代表取締役 岡田正樹

『金融リテラシー研究所』の設立母体となった編集制作会社のエディトは2010年1月17日、創立20周年を迎えた。1990年の創業時から始まったバブル崩壊をものともせず、90年代は2ケタ成長を遂げたが、ITバブルの崩壊と金融不況の影響を受けて、売上高が半減するという絶体絶命のピンチに陥った――。エディト20年の風雲史をまとめてみた。

ひょんなことから出版社を買収

 エディトの創業を考えていたのは、日経平均株価が3万8915円87銭という史上最高値を記録した1989年12月末だった。当時は誰しもがバブル経済が崩壊するなんて、少しも思っていなかった。しかしながら、バブルに浮かれて、会社を起業したわけではない。2度の転職失敗で、もう自分で起業するしかなくなったのだ。

 1度目は日本経済新聞社から研修会社へ転職したが、社長とオリが合わなかった。2度目はデザイン会社の副社長に就いたが、膨大な負債を抱えた会社で、辞めざるを得なかった。2度の転職がその後の会社経営に役立ったことを、いまになって振り返ってみると、失敗どころか貴重な経験だったといえるかも知れない。 創業4年目の93年半ば頃、『100の仕事』という出版企画を立ち上げた。クリエイティブ系の仕事を中心に100種類の仕事を取り上げ、インタビューしたうえで、「どんな仕事?」「収入はいくら?」「どうしたらなれる?」を書いた本である。

 5人の社員が1年がかりで100本のインタビュー原稿をまとめ上げた。いくつかの出版社にあたって、日経BP社で出すことがほぼ決まっていた。ところが、新右翼運動家の鈴木邦男氏が入っていたため、「降ろせ」との要求から白紙に戻った。ちょうどそのタイミングで、意外なことに竹村出版買収の話が持ち込まれたのだった。


日本初のファンド情報誌創刊

 橋本首相が96年11月に金融ビッグバン構想を発表したのを契機に、エディトは金融分野の編集制作にシフトしていく。買収した竹村出版から97年6月に日下公人氏の監修で『金融ビッグバン』を、同年12月から98年7月にかけて日本初の投信評価会社アイフィス編で『投資信託シリーズ』を出版した。

 98年1月、社内に「金融情報部」を設立し、アイフィスと提携してファンド情報誌を発刊する準備に入った。4月の創刊を前に、日経金融新聞に告知広告を掲載したところ、日経ホーム出版社の弁護士から内容証明書付きの通知書が来た。当初予定していた誌名『人気の投信情報』が『日経マネー投信情報』の商標侵害だというのだ。

 エディトは同出版社と仕事もしていたので、すぐに弁護士に電話をして誌名を変更すると話した。するとまた通知書が来て、どんな誌名にするのか、回答するように要求された。かくいうプロセスを経て『人気の投資信託』という誌名となった。

 前の投信情報だったら業界向けの専門誌的なイメージになってしまったと思う。エディト起業の経緯や出版社の買収を含めて、何が幸いするかわからない。思いもよらぬ出来事に一つひとつ誠実かつ真摯に対応することで道が拓けていくことを学んだ。

 日本初のファンド情報誌『人気の投資信託』は98年4月、季刊で無事創刊された。創刊号の読者アンケート&資料請求は500通に及び、投信業界内でいかに待ち望まれていたのか、驚くことになる。年末に別冊ムック『人気の資産形成』を発行し、99年4月に月刊化に踏み切った。

株式会社エディト主要年表(1990~99年) ※クリックすると拡大表示されます。
※ご登場していただいた方々の肩書および掲載されている見解は、発行当時のものです。

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「リテラシー・マーケティング」とは、投資家のリテラシーをいち早く把握し、そのレベルに合わせた販売手法を確立しようとするものです。金融リテラシー研究所では、投信販売を顧客リテラシーから考えることをテーマに、ニュースレター『金融リテラシー・マーケティング』を季刊で発行しています。

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