| vol.14 2012年冬号 | 発行:金融リテラシー研究所 |
|---|
リーマン・ショックから3年余り。相対的に高い経済成長が見込まれる新興国に投資を行い、中長期的な値上がり益の獲得を目指す新興国ファンドは、再び基準価額を下げている。
「なぜ新興国に投資するのか? 世界経済の基礎をふまえ、新興国とは何か、新興国投資の意義についてあらためて知りたいという販売会社の声が多い」。こう話すのは、PCAアセット・マネジメント営業部投資情報担当部長の小林智則氏。
中長期投資が良いことは誰もが理解している。一方で多くの投資家が含み損を抱えているのも事実。リーマン・ショックの直後は、新興国経済の成長は、先進国と連動しない「デカップリング(非連動)論」がささやかれた。しかし、結果としてわかったのは、実体経済が悪くなくても先進国経済に連れられて株価は下がるということ。
ファンド導入時の"成長ストーリー"が大きく揺さぶられているいま、世界経済全体なかで、新興国が置かれた現状と今後の見通しについて解説してくれる研修に対して販売会社のニーズは高い。
成長する市場で運用し、成長の果実を手にすることが、「投資」がもつ本来の意味合いである。新興国市場の成長にアクセスする手段としての投資信託の魅力やメリットを見直してみよう。
「1つは、小口の資金ではじめられること。工場進出や商業店舗の出店、不動産、コモディティ(商品)など、新興国投資にはさまざまな方法があります。これらの投資には大きな資金が必要になりますが、投資信託であれば少額から可能です。いろいろな業種に分散投資することもできます」(小林氏)
2つ目は、プロが運用するため、売買のタイミングを考えなくてもいいこと。なかでも利益確定(売却)のタイミングは、一般個人には難しいと小林氏は指摘する。
「新興国市場はボラティリティが高く、投資元本が2倍、3倍に成長するケースもあります。このときにお客さまは資産の一部を売却し、現金化することでリスク管理を行う必要がありますが、なかなかできないもの」
投資信託は資産が増えたときに一部を売却し、分配金というかたちで収益を還元している。これこそがリスクマネジメントであり、投資信託を活用したいポイントだという。
3つ目のメリットとして、「偏った情報に流されることがない」を挙げる。「新興国であればあるほど、タイミングがずれてネガティブな情報が流れるケースが多い。投資信託を活用すれば、運用会社が投資家にとって適切な情報を取捨選択し、毎月レポートやファンド・マネジャーのコメントとして提供しています。投資判断を大きく間違えることはないでしょう」
世界のGDPシェアの推移(購買力平価ベース)

* PCAアセット・マネジメントは2012年第1四半期中に、イーストスプリング・インベストメンツに社名を変更する予定。
「リテラシー・マーケティング」とは、投資家のリテラシーをいち早く把握し、そのレベルに合わせた販売手法を確立しようとするものです。金融リテラシー研究所では、投信販売を顧客リテラシーから考えることをテーマに、ニュースレター『金融リテラシー・マーケティング』を季刊で発行しています。
無料配布のお申し込み(PDF)